【業界研究】総合商社の特徴や仕事、５大商社の違いなど、総合商社受験の必須知識。
サワディーカップ！
総合商社出身の自称タイ人、ああのです。
総合商社といえば大きな仕事を動かし、世界を舞台に飛び回るなどと行ったイメージがありますでしょうか。
日本には５大商社と言われる通り、５つの総合商社が軒を連ねており、実際に総合商社で働いた経験がある、ああのが紹介して行きます。
目次
総合商社とは？
自動車や鉄鋼、食糧など特定の商品を扱い、海外と貿易を行う企業を商社と言います。
しかし商社にも大きく分けて２種類があり、特定の商品のみを扱う商社を「専門商社」、商品を限定させず様々に扱う商社を「総合商社」と言います。
総合商社は企業の規模の大きさにおいても群を抜いています。
株式市場でもっとも信頼されかつ取引量が多い東証一部に上場していることに加え、従業員数が約5,000人規模であることから、超一流企業として扱われることが多いです。
そして報酬面においても日本のトップクラスであることから憧れの職業として取り上げられることも多いです。
総合商社は激務なのか？
仕事に関しては、海外とやり取りすることが多く、残業も多いことから激務であるとと言われることもありますが、そこまでああのは多いとは感じませんでした。
部署にもよりますが、海外とテレビ会議をするなど出張が多いなどそういったことはあります。
そして飲み会が多いことは事実です。
取り扱う商品の多さ、取引をするお客様の多さを考えると自然なことではあります。
もちろん深夜1時や2時まで仕事をしたこともありますが、基本的には仕事がない時には帰るような残業規制が最近はあります。
総合商社といえども「24時間働けますか」みたいなことは時代遅れであり、変化してきているなあと感じています。
（わからない人はこちら↓）
総合職と一般職の違いは？
総合商社に入るには２種類の方法があります。
総合職と一般職です。
簡単にいえば、総合職とは仕事をバリバリし、一般職とはある程度仕事量は抑えつつ生活を大事にする職種との印象です。
一概にはいえないですが、総合職は総合大学、一般職は女子大学を出ている方が多いです。
もちろん時代が変わっていくにつれて、その垣根も低くなってはいくと思います。
違いとしては下のようなことが挙げられます。
給料が違う
給料体系が全く異なります。
総合職と一般職は最初は開きはありませんが、勤務年数を重ねていくとかなりの開きが生まれます。
出世しようと思うのであれば総合職を目指すべきです。
課長や部長、役員級ですと総合職しかなることはできません。
出張の頻度や勤務地が違う
もちろん一般職でもかなりデキる方は海外出張などありますが、勤務地は原則固定です。
一般職は部署の業務のサポートを行う職種として見られることが多いため、あまり転勤や出張を入れてしまうと円滑な業務運営が滞るということもあります。
印象が違う
現在は出産時や男性の育児休暇に対する風当たりがかなり弱まっていますが、そこは商社。
まだまだ古き伝統をよしとする文化は残っています。
そのため、仕事をバリバリするはずの総合職が子供が原因で休みを取るということに対しての印象はあまりよくありません。
一般職の場合には周囲がむしろ気を遣ってくれるような環境です。
従い、仮にワークライフバランスを重視したいということであればまだまだ一般職に有利な職場であると言わざるを得ません。
５大総合商社とは？
商社業界の中で、収益力や資本力などトップクラスの実力をもつ総合商社。
一般的には７社と言われておりますが、最近では５社が圧倒的に実力差を見せております。
その特に強い５社についてご紹介します。
三菱商事
1918年創業。
長年総合商社のトップを走り続ける三菱商事。
あの赤いスリーダイヤを知らない人はいませんね。
三菱財閥の中心と見られがちですが、重工業にて成長した三菱財閥の中では地位がそこまで高くないとされています。（中核は三菱東京銀行、三菱重工業、三菱自動車です。）
海外約90の国・地域に200超の拠点を有しており、約1,300社の連結会社は商社で最大級です。
社是「三綱領」
（引用：企業理念 | 三菱商事）
1920年の三菱第四代社長岩崎小彌太の訓諭をもとに、1934年に旧三菱商事の行動指針として制定されたものです。旧三菱商事は1947年に解散しましたが、三菱商事においてもこの三綱領は企業理念となり、その精神は役職員一人一人の心の中に息づいています。
地球環境インフラ・新産業金融・金属・化学品など数多くの分野を手がけています。
社風は「三菱グループの組織力」で有名で「財力で勝負する」社風という評判があります。
2018年最新データでは、平均勤続年数は18.4年、年齢は42.7歳、給与は1,541万円です。
三井物産
1874年創業した総合商社の祖。
かつては「三井、三菱で天下を二分する」と言われたほどの実力を持っていましたが、長年2位商社の地位に甘んじています。
京都の越後屋を原点とする三井財閥は商業を中心に成しており、三井物産は中核として存在感を放っています。
1945−1952年の財閥解体では三菱商事とともにGHQから危険な企業扱いを受け、解体されるという憂き目に逢いました。
経営理念「Misson, Vision, Value」
「Fairであること」、「謙虚であること」を常として、社会の信頼に誠実に、真摯に応えます。
志を高く、目線を正しく、世の中の役に立つ仕事を追求します。
常に新しい分野に挑戦し、時代のさきがけとなる事業をダイナミックに創造します。
「自由闊達」の風土を活かし、会社と個人の能力を最大限に発揮します。
自己研鑽と自己実現を通じて、創造力とバランス感覚溢れる人材を育成します。
資源開発系が有名ですが、エネルギー・プロジェクト・食料・ITなど多岐にわたる分野を展開しています。
三菱商事に並ぶ関係会社・子会社数を保持しています。
社風は「人材輩出の宝庫」と言われており、「スマート」な人が多いという評判です。
2018年の最新データでは、平均勤続年数は18.5年、年齢は42.1歳、給与は1,419万円です。
住友商事
日本３大財閥である三菱・三井・住友の一角を占めていた住友財閥。
しかし長年中核の商事会社が不在であり、戦後の1945年に商社として設立されます。
もともと大阪を地盤としている企業体のため、関西では圧倒的な強さを誇ります。
海外における関係会社数も66カ国、129拠点と上の２大商社に続く規模を誇ります。
企業理念は創業400年の歴史を有する住友家の事業精神。
（出典：経営理念 | 住友商事）
住友商事グループの根底には、いつの時代でも、目の前の変化に惑わされることなく、「信用・確実」「浮利を追わず」「公利公益」に重きを置きつつ、「進取の精神」をもって変化を先取りしていくという、400年にわたり脈々と受け継がれてきた「住友の事業精神」が流れています。
創業以来の不動産関係及びメディアに強みを有しており、多様な事業を展開しています。
社風は「叩いても渡らない」とされてきましたが、近年は積極的に投資を進めるなど社風に変化が見られます。
2018年の最新データでは、平均勤続年数は18.3年、年齢は42.7歳、給与は1,304万円です。
伊藤忠商事
非財閥系商社として有名ですが、実際には伊藤忠財閥は戦前繊維商社では世界最大規模を誇りました。
最近では岡藤CEOがメディア露出をたくさん行なっていることで有名になりました。
史上最高益を2年連続で出し、三井物産を抜き去るほどの好調な総合商社です。
就職人気ランキングでも三菱商事を抑え、第一位になっていたりと、今をときめく総合商社です。
企業理念はCommitted to Global Good
豊かさを担う責任という副タイトルが付いています。
（出典：企業理念｜伊藤忠商事株式会社）
もともと伊藤忠財閥が強かった繊維関係は現在も健在であり、ファッションといえば伊藤忠です。
現在は繊維関係以外の分野でも総合的に業態を拡大しており、多種多様な事業を展開しています。
社風は「ザ・体育会系」とされており、お酒やイベントが好きな人が多いです。
2018年の最新データでは、平均勤続年数は17.3年、年齢は41.6歳、給与は1,461万円です。
丸紅
戦前は伊藤忠と同じ伊藤忠財閥出身でした。
1946年に設立されています。
５大商社の中では影が薄い存在ですが、電力事業では圧倒的に他の追随を許さないとして有名です。
社是は「正・新・和」
（出典：経営理念 | 会社情報 | 丸紅株式会社）
丸紅は、社是「正・新・和」の精神に則り、公正明朗な企業活動を通じ、経済・社会の発展、地球環境の保全に貢献する、誇りある企業グループを目指します。
電力関係では財閥系商社（三菱・三井・住友）と並ぶほど、いやそれ以上の実力を有すると世界的に評価されています。
社風も伊藤忠と似ていると思われがちですが、「スマート」な人が多いとの評価を受けています。
2018年の最新データでは、平均勤続年数は17.0年、年齢は41.6歳、給与は1,322万円です。
まとめ
５大総合商社と聞くと何か凄そう！という印象があります。
しかし中身はあくまでも企業であり、その中で働く商社マン・ウーマンは普通の人たちです。
就活や転職の際にはぜひ臆することなく挑戦して見てください。
やりがいのある仕事を求める人にとっては期待通り、いや期待以上の環境が約束されることは間違いありません。
サワディーカップ！
ああのでした！
