異質な価値観こそ歓迎しよう
2018年9月2日更新
こんにちは、タイ人です。
日本で暮らしていると、海外から来た人へのあたりが割と強めだなぁと感じることがあります。
もちろん、極端な話、同じ日本人同士であっても風当たりが強く感じることもあるのだと感じています。
日本は島国で、長い間(江戸時代の何と220年間!)鎖国していたという経験を持っています。その為、当時から基本的にほかの国は外国であり、「海外」と表記します。
実際海外というととても遠い感じがしたり、全然違う国の人というイメージがありませんか?
しかし、実際タイから考えると、そうした考え方をしている人はあまりいません。もちろん、アメリカやヨーロッパはとても遠いイメージがあります。タイの場合は大陸の延長線上の国であり、ラオスやミャンマーは外国ではあるものの、お互いに旅行や観光、仕事などで行き来することが多くとても近い存在です。従い手の届かないイメージではありません。
出稼ぎにきている人も数多くいますし、だからと言って外国、ということを強く意識しているかと言われると、日本人が考えるよりもずっと意識していないと思います。
そうしてみると、日本という国は外国が海を隔てており遠い存在である為に、出稼ぎに来る人もあまりおらず、日本語で話す環境が当たり前の為に、余計に海外と強く意識してしまうのではないでしょうか。
排他的になる気持ちも確かにわかります。言語や考え方など、育ってきた環境が全く異なるが故に、自分の信条や生き方が脅かされる怖さを感じるためでしょう。
しかし、実は異質な価値観は人間が進歩を続ける為に必要なものです。
もちろん、そうした大きな括りでなくとも、我々が日々生活していく中で異質な価値観に触れることはとても良い刺激になります。
例えば、コンビニで商品を一つ買うのにも、安い商品の原産国出身の人からすれば低賃金で働かされているという意見を持っているかもしれませんし、また他国のコンビニ業界の人から見ればもっと良い効率的な方法があるかもしれません。
ビジネスに限らず、人間関係や恋愛にしてもそうです。日本ではハレとケ、と呼ばれる外の顔と身内にしか見せない顔があるとされます(本音と建前のようなものです)が、そうした価値観が理解できないという国の人からするとなぜ理解ができないか話し合ってみると、これまで気づきもしなかった点を教わることもあるでしょう。
古代ローマ(興亡の世界史 地中海世界とローマ帝国 (講談社学術文庫))は歴史上でも稀に見る支配範囲を長期間維持した国家として知られていますが、そうした彼らも異民族国家の人々を受け入れる(差はつけこそすれ、基本的には同じ扱いだったと言われています)ことでその支配を長く維持することができたと考えられています。
また生物学的にも、もっとも遠い遺伝子を持つ人は異性で魅力的、という話もあるくらいです。
異質な価値観を持つ人を怖がることは現状を維持しようとする点で良い面もありますが、やはりこれだけ様々な国や価値観の人たちがおり、インターネットで繋がる時代ですから、オープンマインドで価値観を共有してはいかがでしょうか。とはいえ実は隣の家に住む人が全く異なる背景や価値観を持っていることだって十分に考えられるのです!
まずは近場から、そしていずれは近隣のお国の理解に進めると良いですね!
サワディーカップ!